いまさらM-1グランプリ2018

昨晩、敗者復活をひととおり観て、自分なりに今年のM-1グランプリを消化することができた。決勝ラウンドから最終決戦のの各組はネタやスタイルもバリエーションに富んでいて、しかも大はずしすることもなくてどこも爆発する瞬間があり、いい意味で頭ひとつ飛び抜けた存在がおらずに接戦、という印象だった。かつての「その日一番面白かった奴が優勝」のコンセプトに近い大会になったと思う。

霜降り明星はここ数年の敗者復活で観ていた。粗品のツッコミ(というか描写の言語感覚)がせいやの動きと拮抗する関係になったのがよかったと思う。かつてから「野党!!」といった言葉のチョイスは光っていたが、ともすればナイナイ岡村を彷彿とさせるせいやの動きで正面突破を狙うスタイルに見受けられた。それが今年はアクションvs.ツッコミのフレーズを同格に据えたことにより、かけあい(広義の)の面白さになった。
ネタとしてはあるある/並列系で、見るからに明るいキャラクターといい、トレンディエンジェルとさしたる違いはない。ただ、あるあるだけどかけあい、という最近では珍しい様式なので違いが際立つし飽きられにくいと思う。

和牛は島田紳助が言うところの「4分間の使い方が上手い」スタイル。4分間でストーリーがあるという正統派M-1グランプリ仕様の漫才だった。

ジャルジャルは漫才だけどリズムネタという前例のない領域を開拓している。メタ視点の漫才を突き詰めてリズムネタになるという変遷が実に面白くワンアンドオンリーでいい。
昨年の「ピンポンパンポンピーン♪」以来彼らのネタを観ると、B&Bの消防士のやつ(「リンリンリーン電話機、地図を広げて場所探し」)を思い出す。