活目

雑誌東京人の2016年8月号「特撮と東京」というのを借りてきた。

東京人 2016年 08 月号 [雑誌]

東京人 2016年 08 月号 [雑誌]

ざっと見たところだが東京圏の地図に出現した怪獣がプロットしてあったりして面白そうだ。

ところどころ前に借りた人のメモ入り付箋が貼り付けたままになっていて大いに興を削がれる。数箇所ある中で、宮本卯之助のインタビューページには「活目」と書いた付箋が貼られている。いやマジで書いた奴は永眠を迎えて欲しい。図書館の本はお前の矮小な自意識を発散する場所ではない。

火花 / 又吉直樹

通勤の車中と仕事の空き時間で読んでしまった。自分には、文学の体裁をまとった(漫才という形式の)笑いの表現論のように読めた。つまり、又吉直樹という人は笑いというものをこういう風に考えているのだな、と読み取ってしまった。もし、作者の人となりを知らないまま読んでいたらどう感じていただろうとも思うが、それはもうわからない。
山下洋輔が自身の著書でメタ的な視点からのジャズ論を書くことがあり、凄く面白いのと同時に表現行為ってなんだろう、と考えたくなるのだが、この本ではそういったことを2人の主人公プラスアルファを使って書いているように感じた。理屈っぽくなりそうな話題を、登場人物の感情の動きに託して叙述するあたりが文学的なのかもしれない。
芸談系のテキストはみんな好き、という程度の雑な人間でも面白く読めた。

ドラマ的な視点で再構築(映像化)したり、それぞれの脇役に想像をたくましくしたり、といろいろな楽しみ方ができる話になっていると思う。全然違うはずなのに、神谷の相方の大林はテンダラーの浜本をイメージしてしまった。

トーストと唐揚げ

今週のヤマ場は月曜日の朝一番だった。ディープ神奈川案件。7:00過ぎには会社を出発して東海道線に揺られる。この時間の南方面もすでに満員。横浜を過ぎても変わらなかった。
案件自体は突発的な無茶ぶりが出たりして今後の紆余曲折も予想されるものの弊社担当分についてはひと区切り。滞りなく進むように進捗管理に注力することになる。

客先最寄り駅前のガストでトーストとゆで玉子のモーニングを食べ、横浜の鳥良商店で唐揚げのランチを食べるというディープ神奈川案件のテンプレ的な食生活。ガストの日替わりスープは黒胡椒をバンバン入れると結構味が引き締まって旨くなる。鳥良商店はランチにサイドメニューが加わっていた。

帰社後に来期の人事・組織発表があった。入れ物は替わるけどやることは変わらず、というところか。
地上波放送を楽しみにしすぎて、火花は原作の文庫を買ってしまった。

明日が今週のヤマ場

明日午前中のディープ神奈川案件に向けて、本日も粛々とデスクワーク。
エクセルを印刷するならTrue Typeフォントじゃなきゃね。

定時退社強制デーなので11:30稼動で撤収。混雑を見越して丸ノ内線は東京駅乗車にしたが正解だった。あまりあくせくせずに帰ってこられ、ゆっくり熱めの一番風呂につかる。そして風呂場で髭を剃るとそこかしこに剃刀負けができて血まみれになる。

テイクアウトの焼鳥で炭火を使っているところといえば田柄の鳥信だが、赤塚方面にもあるらしい。明日時間があれば視察してみよう。

そして注文していた本が届いた。ヴィレヴァンの店頭販売をあたっているうちに通販在庫が無くなってしまい、いったんはあきらめたが、別のサイトでキャンセルが放出され、無事に購入できた。

業界地図

昨日図書館に行った時に長女の予約分も受け取ってきた。業界地図などを借りているので昇進試験でも受けるのかと思ったら、就職活動が始まった次女の参考書用だった。
名鑑を見て推しを選ぶ感覚で読むといい、とか謎アドバイスであったが、頭でっかちにならないように身近な目線で支援してくれるのは親としてはありがたい。

男のコラム2 / マイク・ロイコ

今回のアメリカ大統領選挙を見聞して読み返したくなり、20年以上前の本を引っ張り出してきた。シカゴ・デイリー・ニューズのコラムニストのコラム集が翻訳されたもの。

読みたかったコラムは「人種差別」というタイトル。'80年代初頭のキューバでのマリエル港大量出国事件の時期に書かれたと推察する。
世論調査ではキューバからの難民受け入れは反対が多数となっている。自分でも調べてみた、サンプルは自分の地元の友人1人(おそらく酒場の仲間)でまさに世論調査と同じ結果となった、というイントロで、キューバ人受け入れ反対の友人に外国人受け入れをどう思うかと尋ねると、外国人なんかどんな奴でも受け入れるべきではないと話す。それならばポーランド人についてどう思うかと聞くと、バスの中で見かけたポーランド人の掃除夫の様子を引き合いに出して受け入れるべきではなかったと言う。イタリア人についてはギャング、アイルランド人は政治家、などを引き合いに出し、その他各国からの移民についてもエスニック・ジョーク的な比喩を用いてこきおろし、移民は受け入れべきではないと力説する。日本人については「日本製のカメラのシャッターを切ると筋肉がひきつるみたいな音がする」と例える。
君の意見を総合すると、最初の移民であるイギリス人以外は受け入れてはいけなかったわけだね、と水を向けると、多くの南部の山男(ヒルビリー)はそもそもイギリス移民なんだからそのころ俺が生きていたらこの国に入れなかった、と答える。

そして最後のフレーズ。
"ってことは、君の好きな人間はひとりもいないってことになるね。
「いや、そんなこたあない。俺はアメリカ人が大好きだよ」
だけどそりゃあ、いったいどんなアメリカ人だい?
「すでにこの国にいる、俺みたいなアメリカ人さ」"

選挙結果の分析を聞いてなんとなくこの話を思い出したのである。

男のコラム〈2〉スーパー辛口コラム38

男のコラム〈2〉スーパー辛口コラム38

ヒットの崩壊 / 柴那典

先日読了したヒットの崩壊が面白かった。
津田大介が書いた誰が音楽を殺すのかの10年後の風景と認識しながら読んでいた。両者の視点、取り上げているものは異なるものの、(国内ポピュラー)音楽はヤバい状況なのかという問題提起から、現在の音楽ビジネスの総括と課題、未来、というところを関係者のインタビューを盛り込みながら俺のような門外漢にもわかりやすく整理して提示してくれている。
これを読んで自分の音楽の接し方や消費の方法が変わるわけではないけれど、音楽を提供する側(広い意味での、ね)がいま何を思っているのかがほんのりわかって興味深い。