名盤レコーディングから読み解くロックのウラ教科書 / 中村公輔

自分のバンドのDIYレコーディングの真似事をしたこともあり、このアルバム、この曲、このギターやドラムはどうやって録音されたのだろう、と考えながら音楽を聴くのが好きだ。また、そうしたテーマで書かれた本も好きだ。レコーディング・スタジオの伝説 20世紀の名曲が生まれた場所、とか、スタジオの音が聴こえる 名盤を生んだスタジオ、コンソール&エンジニア、とかは凄く面白かった。今回の本は先の2冊より前工程、卓に入るまでの音はどうやって録音される(音として作られる)かに比重が置かれている。

ロックバンドをやっているので音圧と空気感は気になる。「ラウド」で「部屋鳴り」を感じる音が好きだ。古いけどこんな曲とか。

ホーンはほとんどドライなのに、ギターは爆音でやたら残響している。そして演奏は猛烈にノリがある。マイク数本で一発録りの時代によくこんなことができたな、と感心してしまう。

この曲は触れていないけど、なぜこういう音がするのか、こう聴こえるのかについての現場でやっていることやその秘密について、ロックを中心とした過去の名作を例にして書かれている。やはりマイクとマイキングは大事だな、というのが一読しての感想。ボンゾはバスドラムに7本立てるけどタム類は頭上のエアーで拾うとか新鮮な驚きとともに楽しめた。
こういうのを読むとまたスタジオ入りたくなるな。オールでやったレコーディングとか懐かしい。

レコーディング・スタジオの伝説 20世紀の名曲が生まれた場所 (P‐Vine BOOKs)

レコーディング・スタジオの伝説 20世紀の名曲が生まれた場所 (P‐Vine BOOKs)

どれも必読。

俺たちの1000枚 10 Artists × 100 Albums / 木村ユタカ

いわゆる"無人島レコード"系の一冊。人選がツボだった。スライのフレッシュのインパクトの大きさがよくわかった。
その中でも村松邦男の項では、たびたび「(ベースの並木進の)成増の大邸宅」というフレーズが出てくるので驚いた。山下達郎界隈の話は疎くて、当時東武練馬在住くらいしか地縁ネタは知らなかったが、これってナミキ建設と関係があるのだろうか。現在こちらの会社の社長が同姓同名だ。
webで見られる情報は少なく、並木進の成増のお屋敷の話はこちら、並木進と山下達郎の関わりについてはこちら、くらいだった。

俺たちの1000枚 10 Artists × 100 Albums

俺たちの1000枚 10 Artists × 100 Albums

のぼせもんやけん / 小松政夫

第1巻「のぼせもんやけん 昭和三〇年代横浜〜セールスマン時代のこと。」、第2巻「のぼせもんやけん2 植木等の付き人時代のこと。」をまとめて読んだ。ドラマに出てきたエピソードは2巻で散見される。
まとめては徹子の部屋出演時に聞いたことがあった程度の、現在の持ちネタのルーツにもなっている自動車ディーラー時代の同僚の話が読める1巻が面白かった。

のぼせもんやけん2 植木等の付き人時代のこと。

のぼせもんやけん2 植木等の付き人時代のこと。

時代とフザケた男 / 小松政夫

NHKのドラマで気になって読んでみた。この人について書かれた本は読んだことがあるけど、本人が語っているのは初めて読んだように思う。
例えば高倉健とのエピソードは、青島幸男の著書(小松、青島がゴルフ中のやりとりを全部この本にある「小松っちゃん、大福食べますか」で済ませる)で読んだり、とか。産まれた赤ん坊を見に来たタモリが自身の股間であやそうとした話はタモリ自身のテレビでのトークだったり、とか。

本人による見聞が加わっているので一層面白い。黒柳徹子の本にあった、NHK生放送で三木のり平がセットのそこかしこにカンペを貼った話は、共演した植木等がセットを蹴散らかしてカンペを台無しにした、というエピソードにパワーアップしていたりする。
ベンジャミン伊東で怪演を続ける伊東四朗が、思い余って小林信彦に「私は狂っているのでしょうか」と相談を持ちかけたくだりは抱腹絶倒だった。

もう少しこの人の本を読みたくて探してみると「のぼせもんやけん」という2巻が10年くらい前に出版されているのを知った。地元の図書館に無いので都内区立図書館の蔵書検索をやってみると所蔵館がいくつか見つかった。ドラマ人気もあってか予約数が凄いところもあった。
 
葛飾区:予約11件          文京区:予約2件   この差はなんなのか

雨の土曜日

0:30に寝て7:00起床。肌寒く、部屋着をデニム地のスパッツと七分袖の厚めのTシャツにした。昨晩の予報で曇りと言っていた9:00の時点で雨は止まず。やはり予報関係なく昨晩のうちに水物の買い出しは済ませておいたほうがよかったかな、と後悔していると、ほどなくして小降りになってきた。
10:00近くにはめでたく止んでいたので、先週と同じLIVINルートで水物の買い出しに出かける。

煙突はだいぶ短くなっていた

箱根駅伝予選会の中継を観て、昼過ぎにまた買物に出た後は、芸人迷子 / ユウキロックを読む。敗者復活 / サンドウィッチマンと背中合わせのような内容だった。自分の言葉を持つ人だけに、上手くいかなかった時についても情緒的な言い回しに逃げることなく、冷静に分析し、心の内を客観的に記しているので、かなりほろ苦い印象だった。そこまで書ききってしまうのもユウキロックの業なのだろう。
カットバックを取り入れたような構成も面白くて一気に読み終えた。本だけでは物足らず、読後は出版記念に同業者を呼んで何回か行ったトークショーの記事のサイトまで探して読んでしまった。ハリガネロックNON STYLE、は全然気づいていなかった。現在進行形の漫才(および漫才コント)に関する芸談が一冊の本として読めるのはいいことだと思う。

芸人迷子

芸人迷子


その後観たさまスポも面白かった。来週は後半らしいのでまた観よう

気になることば

昭和歌謡ポップスアルバムガイド 1959-1979」という本を読んでいる。ロカビリーやGS、アイドルも全部ひっくるめた流れで捉えているので非常に面白い。で、多数の執筆者が寄稿しており、そのプロフィールページの大久達朗氏のことば。

「懐メロ糞食らえ」です。郷愁だけで音楽を語るのなんて全く意味ないです。でもね、「あの時なぜあんなに感動したのか」を紐解き確認するのは重要だとも思っています。

120%同意する以外に無い。

さやわか氏とばるぼら氏の共著「僕たちのインターネット史」の「おわりに」でのさやわか氏。

大切なのは、何が変化したかを順を追って眺め、把握してから語ることに違いない。いまどき、変化に肯定的な者も、否定的な者も、それを蔑ろにしすぎな気がする。昔のインターネットはなぜよかったのか、あるいは逆に、なぜいまのインターネットのほうがよいのか。どっちでもいいけど、それを語るには、変化の前後がどうであったのかを、ぼんやりとした自分の記憶だけに頼らず、いまいちど確認する必要がある。

インターネットについてだけでなく、自分のふだんの言動において肝に銘じたいと思う。

昭和歌謡ポップスアルバムガイド 1959-1979

昭和歌謡ポップスアルバムガイド 1959-1979

僕たちのインターネット史

僕たちのインターネット史